Treatment一般歯科、小児歯科、歯周病

一般歯科

歯を守るための「歯内療法」

歯の構造歯はエナメル質、象牙質、歯髄(歯の神経)でできています。虫歯や歯周病が進行したり、歯に機械的な力が加わったり、常に周りの歯よりもかみ合わせが強すぎたりすると、歯髄が刺激されて根っこの部分に炎症を起こします。以前は歯髄が病気に侵されるまで症状が悪化すると、抜歯しなければなりませんでした。しかし、当院では極力、患者さんの大切な歯を抜かずに残したいと考えております。

そこで行うのが「歯内療法」です。歯内療法とは文字通り歯の内部の治療です。まずは虫歯や病気に侵された歯髄、細菌を除去し、薬剤や器具できれいに清掃します。その後穴に詰め物をして、クラウンなどの被せもので蓋をします。歯内療法を行うことで歯の機能を取り戻し、歯を保存することができます。

マイクロスコープ(顕微鏡)

顕微鏡当医院では、マイクロスコープ(顕微鏡)を使用した診療をおこなっております。(Carl Zeiss 社製 手術用顕微鏡 PicoMORA)
顕微鏡により、治療する部位が大きく見える事で、より丁寧で確実な診療が出来るようになります。

  • 治療する部位の検査や治療
  • 歯の根の治療
  • 歯周病(歯槽膿漏)の治療
  • インプラントなどの手術

上記以外でも、さまざまな治療に使用します。

受診される患者様へ

診療内容や治療部位によっては、マイクロスコープを使用しない治療もあります。
詳しくは、院長またはスタッフまでお問い合わせください。

Flow歯内療法の流れ

Step.1

レントゲン撮影

お口のレントゲンを撮影し、歯の根っこの形や病状を詳しく診断します。病状によっては歯髄を一部残す事も出来ます。歯髄は顎の骨や血管と繋がっており、歯に栄養を送る大切な役割をしています。歯髄を残すことでより長く歯を使えるようにします。

Step.2

虫歯、歯髄、細菌の除去

痛みがひどい場合は先に麻酔を使用して歯や周囲の痛みを取り除きます。カールツァイス社製のマイクロスコープを使い(症例による)、細菌の住みこんだ根管を丁寧に清掃し、歯の根っこの形を整え、根管治療を進めていきます。根っこの曲がったところには、形状記憶合金製の治療用具を用い、コードレスエンドドンティックモーター(X-Smart IQ)を使用して治療致します。

Step.3

歯に詰め物をする

病巣があった空洞部分はきちんと隙間なく詰めてしまいますが、いつ詰めるかはその時の症状によって違います。すぐには詰めず、腫れが引くのを待ったり、細菌の繁殖がおさまるまで薬を入れておくこともあります。

すぐ詰めない場合は経過をみたり清掃を行うため、何度か通院して頂きます。ほとんどの場合、次の診察まで空洞には仮の詰め物をしておきますが、膿が溜まらないようにするため何も詰めないままにしておくこともあります。

病巣を取り除いて痛みがなくなっても、途中で通院をやめてしまうとまた細菌が増殖して痛みや腫れを起こしたり、せっかく助かるはずの歯が抜歯になってしまう事もありますので、最後まで通院して下さい。

Step.4

歯に蓋をする

患部が落ち着いたら歯の根っこの中をきちんと詰め、最終的にクラウンなどの被せものをして再び噛めるように処置します。

治療後の注意点

もろくなる
歯の神経を取り除いた歯は、神経のある歯よりもろく、割れやすくなります。歯内療法が完了した歯は、クラウンなどを被せて保護することをおすすめします。
歯の変色
歯の神経を全て取り除いた場合、時々歯が変色することがあります。治療後なので医学的には問題ありませんが、見た目が気になる場合は漂白することもできますので、担当医にご相談下さい。

小児歯科

子どもの虫歯予防「シーラント」

お母さんと子ども奥歯の窪みや溝は歯ブラシの毛先が奥まで届かず、ブラッシングでは虫歯の予防がしにくいと同時に、一番虫歯にかかりやすい場所の一つです。シーラントとは、アクリル樹脂やセメントの一種を奥歯の噛みあわせ面の窪みや溝を覆うように接着させ、虫歯の発生を遅らせたり、防いだり、進行を止める補助的な予防方法です。

シーラントに年齢制限はありませんが、乳歯の奥歯は3~4才までの時期に、歯の生え換わりの際一番最初に生えてくる奥の永久歯は、生えたらなるべく早いうちにシーラント処置をすることが望ましいです。

シーラントの手順

シーラント歯を清潔にするため、まず始めにブラシなどを用いて歯の表面を清掃し、シーラント材が効果的に接着するようお薬で歯の表面を処理します。次にシーラント材を塗り、特殊な光を照射して固めます。最後に噛み合わせをチェックして終了です。

シーラントとフッ素塗布の違い

フッ素塗布どちらも虫歯予防を目的とした処置ですが、異なるものです。シーラントはアクリル樹脂やセメントの一種で1本1本の歯のかみ合わせ面の窪みや溝を覆うことで虫歯を予防します。フッ素塗布は歯に塗ることで歯質を強くしたり、プラーク(歯垢)の働きの抑制したり、歯の修復を進めることにより虫歯を予防します。

Sealant Q&AシーラントQ&A

  • シーラントは奥歯のものを噛む面だけに使われるものですので、歯と歯の間などには使用されません。歯と歯の間は虫歯にならないようブラッシングなどできちんとケアする事が大切です。また、既に治療されている歯や、進行した虫歯がある歯はシーラントをすることはできません。

  • 噛み合わせなどにより個人差がありますが、効果は数年といわれています。シーラントには耐久性がありますが、次第に擦り減ったり剥がれてきますので、定期健診の際など取れていないか確認しましょう。

  • シーラントはあくまでお口の特定部分の補助的な虫歯予防法です。シーラントをしているからと安心して歯磨きを怠ったり、甘いものばかり食べていると、歯と歯の間やシーラントを行っていない個所から虫歯になってしまいますので注意しましょう。

歯周病

歯周病とは

歯周組織の構造歯の周りの組織(歯周組織)は歯肉(歯ぐき)、歯槽骨(歯を支える骨)、歯根(歯の根元)を覆うセメント質、歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜からなり、歯を正しい位置に固定するための強固な構造を備えています。歯周病とは読んで字のごとく「歯の周りの病気」です。虫歯が歯そのものを破壊する病気に対し、歯周病は歯周組織を破壊する病気です。

歯周病が進行していくと、歯ぐきだけでなく歯槽骨をも溶かし、最悪の場合歯が抜けてしまいます。歯周病は心疾患、糖尿病などの全身疾患、早産とも深い関連性があることも明らかになっています。例えば歯周病が進行し、血流に乗ると血管に作用して動脈硬化を引き起こします。また、歯周病菌が誤って気道に入ると、原因菌が肺や気管支に感染し誤燕性肺炎を引き起こします。認知症の原因であるアミロイドベータと歯周病菌の関連性も取り上げられつつあります。歯周病はお口の中だけでなく、体全体の健康へ影響を与えます。

歯周病の原因

歯周病の原因はプラーク(細菌の塊)です。歯垢とも呼ばれています。歯磨きが不十分で取り除かれなかった食べカスを餌に細菌が増殖し、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊を作ります。プラークによって作られた酸が歯周組織を刺激し、炎症を引き起こします。

その他、喫煙、過剰な飲酒、デンタルフロスや楊枝の間違った使用法、歯並びが悪い、歯ぎしりがある、偏った栄養、糖尿病などの病気、妊娠も歯ぐきに影響を与え、歯周病の原因となる事があります。

歯周病の症状

口臭厚生労働省の調べによると、成人の約70%が歯周病にかかっているといわれています。歯周病は痛みもなくゆっくり進行するので自覚しにくく、ほとんどの人は歯周病にかかっていることに気がつきません。このように自覚症状がでにくいことから、気付いた時には歯周病がかなり進行しているケースが多く、成人の歯の抜ける大きな原因となっています。下記のような症状がないかチェックしましょう。

  • 歯磨きの時、歯茎から血が出る。
  • 歯がグラグラしたり、歯肉や歯茎がムズ痒い。
  • 歯茎が腫れて赤や紫色だったり、柔らかくなっている。
  • 口臭が気になったり、周りに指摘される。
  • お煎餅などの固いものを食べると歯が痛い。
  • 歯が長くなったり、食べ物が挟まり易くなった。

歯周病の検査

歯の動揺検査歯周病は3つの段階に分けられます。歯周ポケットが3mm以内で、歯槽骨の破壊が起こっていない軽度歯周病。歯周ポケットが4~7mmで歯槽骨の破壊が起こっている中等度歯周病。歯周ポケットが6~8mm以上で、歯槽骨の破壊がかなり進行している重度歯周病の3つです。

歯周病の検査は、歯と歯ぐきの間の隙間である歯周ポケットの深さを計ったり、歯ぐきの腫れや炎症などお口の状態をチェックしたり、歯の動揺、レントゲン撮影などを行い、正確な歯周病進行度を判断します。

歯周病の治療

デンタルフロス<お口の清掃>

歯周病を予防・治療する上で大切なのがブラッシングです。毎日歯を磨いていていても歯周病になってしまった場合は、ブラッシング方法に問題があるのかもしれません。歯科医師や歯科衛生士の指導に従い、正しいブラッシング方法を行って下さい。

また、ブラッシングだけでは行き届かない歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスなどのマウスケア用品を使用して、プラークをきれいに取り除きましょう。

スケーリング、ルートプレーニング(SRP)

スケーリングとルートプレーニングは歯周病の最も基本的な治療方法です。歯石になってしまったプラークはブラッシングでは落とすことができません。そこでスケーラーと呼ばれる機械を使って歯石を除去します。

歯肉や歯周ポケットに入り込んでしまったプラークや歯石には、LMデンタルのキュレットでルート(歯根部)プレーニング(平らに)を行います。スケーリングの後、ポケット内部など奥深くに溜まったプラークや歯石を除去し、汚れや細菌が付着しにくいように歯根の表面をツルツルにします。

当院では、できるだけ歯石の粉を鼻や口から吸う事を少なくするため、口腔外バキュームを使用しています。スプラッソン社の超音波スケーラーP-MAXの細い歯石除去チップH3等を使い、弱い出力で歯石と内毒素をとっていきますので、痛みが少なくきれいに除去することができます。

歯周組織再生療法

中等度~重度歯周病になると炎症が歯肉の奥まで進行してしまい、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための歯周外科手術が必要になります。

麻酔をかけて歯肉を切開し、歯根に付着したプラークなどの汚染物質を清掃します。次にリグロス及びエムドゲインゲルと呼ばれる歯周組織再生材料を塗布し、最後に切開した歯肉を縫い合わせて終了です。手術後はゆっくり休んで頂き、後日消毒の為に来院して頂きます。手術の所要時間は1時間ほどです。(症例によります)

エムドゲインゲルは子供の頃、歯が生えてくるときに重要な働きをするたんぱく質の一種(エナメルマトリックスデリバティブ)が主成分で、歯周病の部位に塗布することで歯が生えてくる過程に似た環境を再現する事が出来ます。これにより歯周組織を再生させ、健康に近い状態まで回復させます。

レーザー治療

歯周病は歯ぐきから血が出たり、口臭がひどくなったりして、そのまま放っておくと歯が抜けてしまうことだってあります。こんな時もレーザーは活躍します。歯と歯ぐきの間の溝にレーザーを当てて歯周病菌をやっつけます。

レーザーをあてることで歯周病の原因となっている細菌が急激に減り、膿みが自然に出て、出血や痛みがおさまり、治りを早くします。ブラッシング指導・歯石除去など、他の歯周病治療と併用してレーザー治療を行います。